この間アジア系の男性にいきなり、ほんとうにいきなり、
「日本は5人に1人の女性が不妊なんだよ。それはあの原爆が原因なんだ」
と、なんとなく「教え諭される」感じで言われてしまい、時が止まりました。
え……なにそれ?
5人に1人?原爆?なんで今言う?日本人の前で?
この情報を彼がいったいどこから得たのか、いったいなぜこんなに確信めいているのか。
……どうしてそれをこんなに堂々と言っていいと思ったのか。
まあ彼の良識とかマナーとか5人に1人とか原爆はさておき、日本はほんとうに外国に比べて不妊が多いのでしょうか?
それは外国では当たり前の事実として受け取られていて、その「常識」度数は「日本人の前で言っても構わない」レベルに達しているの?
その「外国に比べてどのくらい」というのはわかりませんが、とにかく不妊で悩んでいる方が多いというのは事実のようです。
この不妊の原因のベスト3に入っているという、PCOS(またはPCO)・多嚢胞性卵巣症候群という病気について、私は知らなかったのですが、どのくらいご存知の方がいらっしゃるのでしょうか。
不妊の原因ベスト3に入るわけなので患者数は案外と多いのだそうです。
◆完治するのが難しいPCOSに悩む女性は多い
この病気は、月にひとつづつ成熟するはずの卵胞が卵巣の中にたくさん溜まり、それらが成熟し切らないため排卵しにくくなってしまうのだそうです。
卵巣の表皮も厚くなり、卵胞が成熟しても卵巣の皮を破れないため排卵できません。
こうして卵巣の中に溜まった未発達の卵がネックレスのように連なり、「ネックレス・サイン」と呼ばれます。これが確認できるとPCOSと診断されるそう。
不妊の他に月経不順や無月経、肥満、さらに男性ホルモン過多(による多毛やニキビ)などもあり、どれも女性にとってはずいぶん深刻な悩みになりえます。
さらに原因が不明とされ、完治することが難しい病気です。
◆10代のころから悩んでいたPCOSの治療をはじめた女性、しかし道はなかなか険しかった
私のごく親しい女性は、3年くらい前に同級生の男性と結婚されたのですが、彼女は結婚してからずっと不妊で悩んでいました。
不妊で悩むというよりは、彼女は10代のころにこのPCOSと診断されたので、子供を望むにあたって本格的な治療を始めたのです。
というのも未婚のころは、
「今は子供を持つ必要がないのだから」
ということで低用量ピルを処方され、それで生理を規則的に来させていました。
ピルを飲まないと、半年無月経なのは当たり前、来たとしても通常の日数ではなく20日くらいだらだら続く、というような耐え難い状態になっていたそうです。
そして結婚が決まってすぐに、不妊治療に特化した病院に通い始めました。
病院は全国的にとても有名で、有名人がお忍びで来ることもあるそうです。
その超有名な医者から彼女が告げられたことは以下の通り。
■自然治癒することは稀にあると言えなくもないがほとんどない
■このままの状態で自然に妊娠することは望めない
■PCOSは原因がわかっておらず、根本的な治療方法もない
■薬を試して治らない場合は外科手術が最良
外科手術については、良くわからないのですが、硬くなった卵巣にレーザーで穴を開けて排卵させるのだそうです。
こ、こわい……けどとても有効な方法なのだとか。
◆努力がなかなか実らず……気持ちを切り替えふと始めた砂糖断ち
病院さえもそもそもがおそろしかった彼女は手術よりも、どうにか自然な方法で治すことが出来ないかと模索しました。
病院では漢方薬も処方してくれるらしく、その漢方薬を試しつつ、まず夜型だった自分の生活を直して早寝早起きし、食事もバランスのよい野菜中心の和食にし、アルコールも断ちました。
病院から処方されたホルモンバランスを調える薬だけは飲んでいたそうです。
そうして二年近くが経過しましたが、PCOSは治りませんでした。
あいかわらず生理はほとんど来ず、もちろん妊娠の兆候もない。
でも彼女はわりあいポジティブなひとで、じゃあしばらくこのことは考えないで過ごそう、まだふたりとも若いのだし夫もあせるなと言っている、なによりストレスが一番身体に悪いにちがいない、と考えべつのことに集中するようにしました。
ホットヨガに通ったり友達と会ったりスキンケアに熱中したり……
そう、このとき彼女はスキンケアに熱中したのです。
この期間に、私は彼女と「砂糖断ち」ついて話しました。
実践してみて、生理痛が軽くなって夢のようだということと、肌に透明感がでてキメが細かくなったことについて話したのです。
彼女は生理痛ではなく透明感の方に食いつき、つらそうだけど効果てきめんならやってみようかなあ……と始めたのです。
◆1カ月であっさり治った生理不順、しかも完治したPCOS
そうして始めてちょうど一ヶ月後、新月の日に生理がやってきました。
それから見事に28日周期で生理がやってきて、病院に行くと、
「あ、治ってる」
とあっさり言われたそうです。
べつの病院にも行くと「あなたはPCOSではない」と言われました。
ずっと治療に通っていた病院で砂糖を抜いたことを話すと、
「いや、それで治ったんじゃないだろう、そんなことでは治らないよ」
と言われたそうです。
その話を彼女から聞いて、ネットで調べてみると、糖質制限のサイトなんかでちらほらPCOSが治った、という体験談を、数はそんなにありませんが読むことが出来ました。
彼女は砂糖断ちで治ったと確信していると言い、なぜなら砂糖断ちを始めてしばらく経ったころ一度欲望に負けて甘いものを馬鹿食いしてしまったことがあり、その次の生理は見事に来なかったからだと言っていました。
◆PCOSとインスリン抵抗性の関係は深い=砂糖断ちが有効?
この結果を受けて調べてみたところ、PCOSはインスリン抵抗性が関与していると考えられている、糖尿病患者が身内にいる場合に発症することが多い、というのは周知のことのようです。
では砂糖断ちがPCOSに効くというのは決して「そんなことでは治らない」というようなものではなく、じゅうぶん関連のあることなのではないでしょうか?
ちなみに彼女の砂糖断ち前の摂取量は私よりもひどく、たとえば私は飲み物だけは甘いものは飲みませんが、彼女の場合紅茶にスプーン3杯の砂糖を入れケーキとともに飲み、ときにはスプーンで砂糖をすくって食べることもあったそう。
食生活改善にデザートは含まれてなかったんですね……
砂糖直接はないわ……
しかし彼女は意志の強さも人一倍で、やると決めたら徹底していました。
一回誘惑に負けた他は、一口も口にしなかったし調味料にも一切使わなかったとのこと。
私はまだたまに食べたりします……
ともあれ砂糖が不妊に関係しているというのはよく言われるようで、私の親戚の女性は今妊娠していますが、彼女はPCOSではないけど砂糖は一切口にしないそうです。
訊いてみると、妊娠中の砂糖摂取により奇形児の確率が高くなると言われているとのこと。
私は知らなかったけど常識なんだと言われました(そうなの?)。
このたびPCOSを克服した彼女がご懐妊されたので、了承を得て、偏った内容にはなりましたが書いてみました。
ひとによっては全然関係のない内容で申し訳ないのですが、彼女が、
「悩んでいるひとがいたらこんなに簡単に治るって教えてあげたい」
と言っていたし、なにしろ副作用がないからやって損はなし。
まあ砂糖断ち、簡単ではないんだけど……