これほどまでに「大好き」な人と「大嫌い」な人がきっぱり分かれるものはそうそうないんじゃないかと思われる野菜、パクチー。コリアンダーともいいますね。
私は、好きな方です。セロリとかシソとか、ああいったにおいのある野菜が好きな傾向がある。
それでもう、この1カ月はパクチーなしじゃいられないほどに夢中になり、気がつけばほんとうに毎日食べていました。クレイジーパクチー!
パクチーの抗酸化力はダントツ!他の追随を許さない
パクチーのデトックスパワーがすごすぎることについては、初期に軽く触れたことがあります。
こちらで書いたことを少しまとめてみると
- パクチーには大豆の10倍の抗酸化力がある
- 世の中には「パクチーハウス東京」というものがある
- 「日本パクチー狂会」もある
- パクチーの魅力は人を狂わせることもある
ということです。
抗酸化力に関しては、とにかく食品の中ではダントツです。ぶっちぎりでトップ独走です。
抗酸化だのデトックスだの言いつつも、我々は日常で添加物の含まれたものをつい口にすることもあります。インタスタントラーメン食べることもときにはありますよね……ありますよね!?まったく自然なものばかりで料理するのも、忙しい日々を送る現代人には難しいことです。
そしてたとえ食品添加物を口にしなかったとしても、排気ガスや化粧品、水道水に含まれるカドミウムや鉛などから私たちの身体の中には知らないうちに重金属がとりこまれてしまいます。その重金属は私たちの大切な!大切なあの酵素に絡んで邪魔をする、とんでもねえ野郎です。
すると身体のほうは、それに活性酸素で対抗しようとします。こうして活性酸素が大量に発生すると、若さと健康の要である血管や細胞を傷つけることになるのです。
これが、お風呂に1時間入ったところでデトックスして解消!……できるなんてことはありません。お風呂のデトックス効果なんて微々たるものです。
私、デトックス、したい。日々溜まりゆく重金属・添加物を排出したい。パクチーのデトックス効果に期待したい。
パクチーはある日突然好きになる
私はパリに来るまでパクチーを食べたことはほとんどありませんでした。
でもパリでベトナム料理を食べる機会が増え、ベトナム料理だけでなく中華料理にもさりげなく乗っていることが多いため、自然と日常的に食べるようになったパクチー。
はじめは好きでも嫌いでもなく、なんとも思っていなかったパクチーなんだけど、ある日鼻血を出してサンジェルマンデプレの大通りで困っていたら、心配そうな顔で真っ白なハンカチをそっと差し出してくれて……そのときから彼のことが気になって仕方なくなってしまったんです……一年前かな。
いや、ホントにある日突然だったんです。
一説によると、パクチーを好きになるかどうかはDNAでぱっくり別れちゃうみたいです。嫌いな人はパクチーを口に入れると石鹸や洗剤のように感じてしまうとか。人口の4~14%の人がこの異なる嗅覚受容体を持っているらしく、それじゃあ嫌いな人には一生無理だよねと思っていたら意外と
「はじめてベトナム旅行に行ったとき、食べてみたらおいしかった」
「タイ旅行で大量に食べ続けたら好きになった」
という声も聞きます。
パクチーにはこのように、「ある日突然好きになった」「東南アジアに行ったら好きになった」「大量に食べ続けたら好きになった」というような一発逆転ストーリーがつきものです。
たぶん水炊きに突然パクチーを乗せても好きになる人は稀で、「東南アジアの気候と料理」とパクチーは相性が良く、その空気の中でこそ「突然のひらめき」のようなものが生まれるのかもしれません。私も食べ続けていたのがフォーではなかったらこんなにパクチーに夢中にはならなかったかも。
抗酸化だけではない栄養満点パクチー
パクチーの主な栄養素と効果はなかなかすごいものがあります。
豊富なビタミン
ビタミンA(抗酸化)、ビタミンB1(疲労回復)、ビタミンB2(皮膚や粘膜の修復)、ビタミンC、ビタミンE。
ビタミンAはβカロチンが変化したものです。このβカロチンが緑黄色野菜と同じように大量に含まれています。
ミネラルも豊富
マグネシウム、カルシウム、カリウム、リン、鉄。
貧血に悩む女性にも強い味方。
食欲を増加させる
におい成分マンニトール、リナロール、グラニオール、は食欲を増進させ、消化器官を活性化させてくれるものです。だからこそ東南アジアの気候に合い、日本の湿気の多い夏にもぴったりの食材です。
体臭を抑える効果
これは体臭を強くする活性酸素を抑えるためです。抗酸化作用の強い食べ物を積極的に摂ることで、腋臭のにおいも発生しにくくなるようです。
蚊を寄せ付けない
パクチーはシトロネラやパチュリなどと同じように、蚊を寄せ付けないハーブです。タイやベトナムの人々は「パクチーを大量に食べ、身体からかすかにパクチーの香りを放つ」という蚊よけ対策をとっているようです。
ただ、これを行うとパクチーが大嫌いな層に嫌われるのではないか、という心配もありますね。
パクチー美肌サラダ(適当)を毎日食べた1カ月
強力な抗酸化力以外にもこんなに素晴らしい効果を持ったパクチー。もし毎日食べ続けたらどうなるんだろう……と調べてみたけれど、そういう記録をしている人はあまりいないようでした。もしくは毎日食べる人なんてそうそういないのかもしれない。
というわけで1カ月(正確には1カ月以上になりますが)、私は毎日欠かさずパクチーを食べてきました。その結果を報告します。
はじめは、インスタントラーメンをどうしても食べたくなったとき、パクチーをぶちこんでしまえば相殺されるんじゃないかと思って山もり入れて食べたのがきっかけです。
そこから毎日パクチーなしではいられなくなり、ついに毎日パクチーサラダを作って食べるようになりました。
一応注意を喚起しておくと、私は決して料理上手ではないし、これはおいしさではなく美容を追求したサラダです。料理上手の方が見てらっしゃるなら、もっとおいしそうなアレンジして教えてくださるとこれ幸いです。
パクチー:好きなだけ
プチトマト:好きなだけ
アーモンド:5粒(砕く)
亜麻仁の実:小さじ1
【ドレッシング】
レモン汁・黒酢・亜麻仁油・醤油を好きな配合で
適当ではありますが美容には特化しているはずのこのサラダを朝か夜に食べ続けました。面倒な時はこれに茹でチキンをくわえたものだけを食べます。たいていは炒め物やスープや餃子を一緒に食べていました。餃子は結構合います。
ちなみにパクチー餃子っていうのも考えたんですが、火をじゅうぶんに通すとその香りが消えてしまい、苦手な人には良いのですが大事な効能が薄れてしまいます。パクチー天ぷらなんかもとてもおいしそうですが、美容上の理由で今回は却下。
その結果私が感じたことは
- 肌の透明感が増した
- クマが薄くなった
- 運動したときの汗のサラサラ感がすごい
- はじめの数日はちょっとお腹がゆるくなったように感じた
ということです。
肌の透明感に関しては私が自分で思ったのではなくて、2カ月ぶりくらいに会った友人が「透明感が!!」と驚いてくれたので、けっこう信憑性があるのではないかと思いました。
実際、重金属が溜まると肌はどす黒くなったり、クマが濃くなったり、治りにくいニキビができやすくなります。
それと食生活が荒れている日が続くと、たとえば昼をおにぎりだけですませるとか、インスタントラーメン食べちゃうとか、そういう日が続くとなんとなく顔色が悪くなったり頬の手触りが悪くなったりするんですが、そういったことが一切なかったのも良い傾向です。悪そうなもの食べてしまったり栄養が足りなさそうなときはパクチーを即座に口にねじ込んだりしていました。
「お腹がゆるくなる」というのは良くないことのようですが、便秘で悩んでいる人にとっては朗報に違いありません。パクチーを食べ始めて便秘が治ったという話はそこかしこで聞いています。便秘になることがなによりも反・デトックスなのです。お風呂に長く浸かったり汗をかく努力をするより、便秘を解消することこそがもっとも有効なデトックス方法です。
ちなみに「お腹がゆるくなる」感覚は3日くらいで治まりました。
さらに前項の「毎日大量に食べるとパクチーの香りが身体からしてきて蚊を寄せ付けない」と言う話についてですが、いろんな人ににじり寄って行ってはパクチーの香りがしないかどうか確かめました。皆一様に「しない」との回答でちょっと安心。
ただ、以前やはりパクチーが食べたくて食べたくてたまらなくて正気とは思えないほど毎日大量に食べていた1週間がありました。その量は今回のサラダの比ではなく、ボウル1杯くらい食べてました。
そのとき、私はある料理人の前で
「毎日パクチー食べてる」
と告白しました。すると帰ってきた答えが
「あ、パクチーの香りがするなってずっと思ってた!」
という衝撃のもの!
料理人だから鼻が良かったのかもしれませんが、やはり大量に食べるとパクチーのにおいがするのです……そのときの反省を生かして今回は量を減らしているのですが、比較的引きこもっていて、家族や恋人もパクチー好きばかりだ、という人は遠慮なく食べれば良いと思います。
未だ高級なイメージのあるパクチーを大量に食べたい
1年前の私はパクチーを家で食べようなんて野望はよもや抱いておらず、ベトナム料理店でちょっとやんちゃするときにだけ食べられるもの、という認識だったのですが、日々パクチーに対する欲望が増して留まることを知らず、ついに購入するにいたったのはここ半年くらいのことでしょうか。
最初にパリでパクチーを見かけたのはオーガニック系のスーパーでした。私の前に並んでいたアジア系の女性がレジを打ってもらっている最中に、
「あ、ちょっと待って!」
とパクチーを探しに抜けていったのです。彼女はパクチーを2葉とってきて……という数え方で合ってるか自信がないので、写真で見てもらいます。
これだけのパクチーを取って来て、レジの人に渡したのです。するとそのお値段が、なんと2ユーロ越え(260円くらい)……!
目玉が飛び出るかと思いました。パクチーってそんなに高いのか……大量に食べることなんて夢のまた夢……あきらめよう……パクチーハーレムあきらめよう……
こうして一度はあきらめたパクチーライフ。
でも私、思ったのです。もしそんなに高いものなら、中華料理屋があんなにさりげなく料理に乗せているわけがあるまい。
きっとある、中華系スーパーに!
そう信じて足を運ぶとやはりあった、大量のパクチーが。
これだけで45サンチーム(100円以下)です。
しかしこれだけの値段の差がどうやって生まれるんだろう。不思議で仕方ない。
そして日本でのパクチーの価格についても調べてみたら、やはり「高級スーパーで買える高級ハーブ」という位置づけのようです。だからこそパクチー専門店が出来たりしているのでしょうかね?
いくらデトックス効果がすごいと言っても、売っている場所が限定されて高価なら毎日食べるのは難しいだろうと思いました。
じゃあ育てたらどうだろう?と一瞬思いました。そして調べたんですが、ミントのような繁殖力はなく、それほど難しいわけではないけれど少し手はかかりそうです。
でもベランダや窓際で育てたら夏にはそれだけで蚊よけになるし、なかなかいいんじゃないだろうか?と来年の夏に向けて計画中。
というわけで
クレイジーパクチーサラダブームはまだ続きます。
あー今日はちょっと悪いもの食べたー!と思ったら3パクチーくらいいっとくと罪悪感も薄れておすすめ。