フランスでは和食が食べられなくていろいろ心配だの
なんだの言ったけれどアーモンドと同じように
日本より良い面も当然あり、その筆頭と言える事柄は
「亜麻仁油が安い」ということ。
日本でもずっと摂取し続けていたのですが、なんとなく
日常的に使うものというよりは美容健康マニアの御用達的な
代物扱いであるためか高いし、置いてる店も限られる。
最近ではわりと定番化しつつあると思いますが
欧州の方が手に入り易く、値段も安いと思います。
オーガニックスーパーに行けばだいたいどこでも売っていて
値段は250mlで6ユーロちょっと。
もう、使いたい放題!
渡仏してしばらく経ってから、「そうだ、亜麻仁を忘れてた!」
と買いに行って、それから毎日飲んでいます。
油が太る太ると言われていたのはもうずいぶん前のことで
たしかに悪い油は太るし悪いものが溜まるし肌も汚くなるし
いいことがありません。
しかし油がなければ肌は乾燥するしお通じにもよくない。
高くてもとにかく質の良い油を選ぶことが大事です。
良質な油はむしろ積極的に摂るべきで、いくつか候補はありますが
私がずっと好んで摂ってるのは亜麻仁油です。
その亜麻仁油<Huile vierge de Lin>は
「多価不飽和脂肪酸」つまり体内では作ることの出来ない
必須脂肪酸のうちの、αリノレン酸が豊富な
オメガ3系(n-3系)に当たる油です。
オリーブオイルはオメガ9系なのでまた効果も違います。
他に代用できるのはエゴマ油(シソ油)が有名です。
その効果をまとめると
■血液がサラサラになり、中性脂肪値を下げる
αリノレン酸はEPA、DHAの元になり、血液をキレイにし血管を強くし
中性脂肪値を下げ、善玉コレステロールを増やしてくれます。
EPA、DHAは青魚を積極的に食べると不足しませんが
パリで青魚を十分摂るなんて夢物語なので亜麻仁油が強い味方です。
■肌荒れを改善し、花粉症を緩和してくれる
オメガ3が不足している子供は
アトピーになってしまうことが多いそうです。
αリノレン酸は肌の炎症を抑えてくれるため
花粉症のときに摂取すると症状が緩和されるそうです。
ただ私は花粉症でないので実感できません。
■乾燥肌の改善
まず潤いのある肌は良質なオイルが必須です。
さらにαリノレン酸は良質でやわらかい細胞膜を作り
それを素とするセラミドがたくさん分泌されます。
潤いのある肌にセラミドは欠かせません。
■生理痛の緩和
EPAは生理痛の元になるプロスタグランディンを抑えてくれます。
■便秘の改善
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が豊富に含まれています。
■身体のさびつきを防ぐ
なんといってもポイントは「リグナン」が豊富に含まれていること。
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があります。
■女性ホルモンに似た働き
リグナンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きもしてくれます。
大豆イソフラボンみたいなものなので、上等な豆腐や豆乳がない場合
その代わりに摂取するのも良さそうです。
と、羅列するだけでゼイゼイ言ってしまうほどの効果が!
注意点として、亜麻仁油は熱に弱く、加熱してはいけません。
なのでそのままの状態で摂取しなければいけないのですが
私は個人的に亜麻仁油の風味が苦手です。
しかし「亜麻仁油は癖がなくそのまま飲める」
と言う人も多いので、平気な人はそのまま
スプーン一杯ツルッと飲んじゃえばいいと思います。
私にとっては朝ヨーグルトに一匙分入れるのが一番手軽です。
これがあるので私は乳製品をやめられないのです……
あとジューサーを持ってる人はジュースに加えて飲んだり。
一番いいのはドレッシングだと思います。
<亜麻仁油大匙1+酢大匙1+塩胡椒>
という感じで簡単に作ることが出来ます。
ちょっと醤油を加えると
亜麻仁油のクセが気にならなくなって、おいしい。
サラダを毎日作ることが出来れば一番いい方法ではないでしょうか。
保存方法は、亜麻仁油は高温に弱いので
開封したら冷蔵庫に入れ、そして早めに使い切ること。
だいたい3週間くらいで使いきるよう推奨されています。
紫外線にも弱いので光を遮断してくれる容器であることが望ましいです。
だからこれを見つけて「わ、黒の容器とか、なんて親切なの!」
と喜んで買いだめしたら、これただのクリスマス・エディション……
なんか雰囲気良くてお洒落だから黒にしたってだけのようです!
フランス人黒が好きだからな……折り紙も黒を選びがちな国民……
日本では余りがちなのに……
私が日本で買っていた亜麻仁油は
遮断してくれない普通の透明な瓶の容器だったので
アルミホイルで包み込んで冷蔵庫で保管していました。
とにかく飲まなきゃ損な亜麻仁油。
とくにパリ生活には、一日スプーン一杯が欠かせません。