いったいこれをどうやったら間違えて二個買うのか、
しかし私、もうミネラルウォーター買わなくていい、
という喜びの前にはそんな瑣末な疑問など!
1.5リットルの6本パックの水……
これを抱えて階段をのぼることを想像すればこそ、
私は絶対にエレベーターのないアパルトマンには住まなかったのです。
7階エレベーターなしのひとはどうしているのだろう……
友人の中にはマッチョに水道水をそのまま飲んでいるひともいますが、
美容関連のひとがあれだけミズミズミズミズ言っているというのに、
それを無視するわけにはやはりいかんのです。
人間は70%水だ、というようなフレーズもなんだか美容心をあおります。
ところで私は必ずボルビックを買っていました。
単純に硬水は喉でウッとなってグッとなってモウッとなるからです。
ダイエット水として有名なコントレックスなんて、
未曾有の胃痛に苦しめられ500ミリリットル飲みきることができませんでした。
よく硬水は利尿作用があって美容にもいいと言いますが、
マグネシウムやカルシウムなんて食べ物でとることができるし、
日本では考えられないほど真っ白に水場にとりつくカルキを見るにつけ、
身体の中もこんな感じにカルキが溜まるんじゃないかと思い、
ちょっと空おそろしいような気持ちになります。
それにあのコントレックス後の空前の胃痛を思うと、
身体によいとはとても信じられない……
ちなみに私は胃腸はずいぶん強いほうで、
めったなことでは胃痛なんて経験しない人間なのです。
そして風呂水としては確実に肌と髪を傷めます。
だからフランスでは肌荒れして医者いくと、
「なるべく水にふれないように」
とか言われるのです。
こうしてフランス式洗顔なるものができたのでしょう。
日本では風呂は美容の一部のように言われるのに!
あの女優もその女優もananのインタビューで美の秘訣は
「風呂でマッサージ」「風呂でパック」「風呂で筋トレ」
などもうフロフロフロフロ言っているのに!
このような背景から、渡仏前は本気で軟水器の購入を検討しましたが、
高いし面倒だしメンテナンスもいるし、引越しもあるかもしれないし、
とても私には無理だからあっさりあきらめました。
その際友人に、
「もし日本が硬水地帯だったらば、
もっと安くイージーな軟水器がたくさんできあがっているだろうなあ」
と夢のようなことを言ったら
「いや日本なら、下水の時点から改良しているだろう」
と壮大な返事をしてくれたのをおぼえています。
というわけで風呂水は軟水器を買うしか根本的な解決はありません。
あとはシャンプーや石鹸や入浴方法の工夫しかないと思います。
しかし飲み水は、簡単、買えばよい。
それか白く清潔なBRITAを。
量については、よく「一日2リットル飲め」などと言いますが、
ひとそれぞれ体格も、その日の食事の味付けもちがうのだから、
個人差はずいぶんあるしそもそも2リットル多いと思います。
私なんて2リットル飲んだらドーベルマンに追いかけられても走れません。
ただ、コーヒーやお茶をがぶがぶ飲んで水を飲まない、
と言う場合はコーヒーと水を分けて考えるべきなのでしょう。
以前コーヒー飲んで水飲まなかった私は、
一日だけコーヒーもお茶も飲まず水だけ飲んでいたら、
驚くほど間食を欲しくならないことを発見しました。
コーヒーとか紅茶とか飲むから人間は、
クッキーとかシャルロットケーキとかハッピーターンとか、
なんだか中毒性のあるおやつを食べたくなるのでしょう。
このまま水だけ日々飲み続ければ、
ずいぶんきれいな身体になるだろなというクリアな確信がありました。
コーヒー・紅茶の美容・健康効果はまた別の話として置いておき、
コーヒー・紅茶というのはそれ自体よりも
このような私でも、
ときにはナンパ・声掛け等に遭遇することがありますが、
このあいだは道で、
「酒を飲みに行こう」
と言われ、酒は好きこのんで飲まない私は、
「酒飲まない」
と答えました。するとむこうは、
「ならコーラを飲め」
と代替案を提示するものですから、コーラ飲まない私は、
「コーラ飲まない」
と返答しました。
「ならなんだオランジーナ飲め」
「オランジーナ飲まない」
「じゃあコーヒー飲んだらいいだろう」
とだいぶ神経が高ぶっている様子だったので、
コーヒー飲む私ですが「コーヒー飲まない」とホラ吹きました。
私としては早くもやし買って帰り
一刻も早く焼きそば作りたいがための不可抗力の嘘だったわけですが、
もし「なんか運命感じる」と女性が思った場合は、
コーヒーさえ飲まなかったらなんと答えればいいのでしょう?
「水なら飲む」と言いますか?
なんかモデルみたいでおしゃれといえばおしゃれにしても、
色気に欠けますよね、ゼロですよね。
だからやっぱり人間コーヒーくらいは飲んだほうがよいのです。
幸福のために。
この長いナンパ話いったいなんでしょうね。