私がジョンマスターオーガニックにクレイジーアバウト、
だということはすでに記しましたが、
その後釜、あるいは手に入らない場合のピンチヒッターを、
このパリでは未だ見つけられずにいます。
ジョンマスターのよいところはまず成分良好、
それから香りもよいこと、
そしてなによりただ成分がよいから使用感が悪くても使うのではなく、
一般のシリコンたっぷりでツルツルに仕上げてくれるシャンプーと比べても、
髪の手ざわりは抜群によくなることにあります。
自然派のシャンプーは往々にして、
成分がよいのだからギシギシでも我慢して使う、
いずれは美しい髪になるに違いない、
という、
DV男に耐える妻のような思考で使っている場合が多いのです。
日本では高いのが難点で、たしか3980円、とかそのくらい。
パリだともう少し安くて20ユーロです。
ただ日本ではジョンマスターを取り扱う美容院がたくさんあり、
そこに行けば業務用を買うことができると思います。
私はいつもそのように購入していたため、
1035mlで7980円……8000円いきませんでした。
これならパリで買うよりもずっとお得というものです。
というわけで、
大好きなマドモアゼル・ビオでシャンプーを物色してきました。
ジョンマスターの後釜を探すべく、
まずはミルククレンジングが当たりだったメルヴィータ。
ドライヘア用。200mlで7ユーロちょっと。
他には脂っぽい地肌用、フケ用、疲れた髪用、金髪用、日常用、
などがありましたが、においで満足できるのはこれと日常用で、
ドライヘア用はラベンダーの香り、
日常用はグレープフルーツですがちょっとだけ食器用洗剤のような香り。
アヴォカドかと思いましたがアーモンドです。
200mlで5.5ユーロ。
これはとても甘い香りがします。
とても甘い……チェルシーのヨーグルト味のにおいです。
私は嫌いではありません。
この二つとも、大変使用感は似ています。
ジョンマスターに比べるとものすごくキュッと洗いあがります。
メルヴィータのほうが若干、ドライヘア用だけあって、
潤いが残る、ような気がします。
悪くないですが、
私はこの後必ずジョンマスターのリンスを使わねばまとまりません。
もともと髪が強くてサラサラのひとにならよいシャンプーです。
どちらもジョンマスターのように潤いは残りませんが、
私が今までジョンマスターを使わせてみたことのある、
普段はメリットとかビジネスホテルのリンスインシャンプーを平然と使い、
乾かしもせずビール片手にテレビを見ることのできるような美髪の持ち主は、
一様に「脂が残って気持ち悪い」と言います。
そしてあろうことかそのうちのひとりは私の髪を
「そんなシャンプーを使うから脂っぽい」のだと批判したのです!
おお髪よ!!
私の髪は決して脂っぽくない
むしろ乾燥に悩んでいる、
貴殿のおっしゃる「脂」というのは
一般認識では「艶」と呼ぶのではなくて?
とついブルジョワジー風に高飛車に取り乱し
かの人物には二度ほど謝っていただき事なきを得たのですが、
ひとによってはシャンプーには食器用洗剤のCMような
キュッキュ感を求めるのであって潤いは必要ない場合もあるということです。
それにしてもサラサラ髪の持ち主たちの思考は想定外ですね。
日本にいるときには私も、
よりナチュラルなシャンプー・より良好な成分を求めるあまり、
オーガニックシャンプーから液体石鹸シャンプーへ、
それから固形石鹸とクエン酸リンス、
あるいはリンスはハーブティーで、
そしてついには湯シャンへ、
とフルコースをたどったものですが、
湯シャンはショートカット、
長くてもショートボブまでが限界だと感じました。
そしてあるひとの、
「湯シャンしてるひとは自分ではわからないつもりでもすごいにおい、
でも誰も正直に言ってくれないんだからね」
との言葉がおそろしすぎたため、
なんだかその言葉がのろいのようになって続けられなくなったのです。
3ヶ月は続けないと効果がわからないと聞いていましたが、
社会生活を送るにあたってずいぶん難しかったのです。
それに何度も書くようですが、
湯シャンも固形石鹸シャンプーも、
日本のリッチな風呂環境あってこそ。
じゅうぶんに流したり浸かったりできないフランスでは、
さっと出来てさっと仕上がる、でも成分わりと良好、
という商品と方法を探すことが今の私には精一杯のできることです。
もう少しシャンプージプシーが続きそうです。