辛くておいしい!パリで人気の四川料理店

パリのレストランとカフェ

 

何人もの日本人の友人からお勧めされ続け

でもなんとなく行く機会に恵まれなかった

ドュ フォア プリュス ド ピモンDeux fois plus de piment

「唐辛子2倍」という直球の店名からもわかるように

激辛料理の店なのですが、激辛好きの人だけではなく

辛いものが苦手な人は唐辛子をわざわざ抜いてもらい

何度も通い詰めているというから、これは期待出来る。

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ほんとうは一度、奥さんが四川あたり出身である友人夫婦と

食べに行こうということになって店内まで入ったのですが

「ちょっと今水道が止まってるから少し待ってくれ」

と店側から言われ、すると友人夫婦の旦那さんが

「待つのなんてヤダ」

とさっさと出てしまい、私としては「え、ちょっと待たない?」

という気持ちでいっぱいだったのですが、奥さんは

「彼がそう言ってるから出ましょう!別の店を探すわ!」

と必死で近くの良さそうな店を探し、連れて行ってくれたのです。

この夫婦は、奥さんが中国一と言っても良いほど

女性が強いことで有名な街の出身で、私の印象では

カカア天下100%という感じだったのに、なんというか

男女関係の妙と言うか、わからないものだなあ……

 

さて、ここは人気のカフェ”merci”の近くにあることもあり

なんだかちょっと私が通い詰めるいつもの中華とはちがい

シャレオツな雰囲気……

私が一番に着き、店内に入って

「あとから二人来ます」

というと、店員のリーダーっぽい姉さんに

「予約はしてるの!?」

とかなり強めに言われ、なるほどこれが四川料理の洗礼……

と一瞬でぴりりと緊張が走り、しかしまだ店内はガラガラだったので

「してません。予約してないと、ダメ……?」

とおそるおそる訊くとリーダーは大きくため息をつき

「まあいいわよ、連れはあとどのくらいで着くの!?」

「10分くらい」

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そのあと友人2人がたどり着くまで

「あと何分で着くのよ!?」

とリーダーに問い詰められるたび

「もうちょっと」

を3回ほど繰り返し、そのたびリーダーは大きく首を振ります。

 

そしてやっと3人揃い、注文をとりに来てくれたのは

新人らしき超美肌の姉さんで(リーダーも超美肌です)

彼女はとても感じ良く笑顔が素敵で、料理の質問にも

すごく丁寧に答えてくれ

「唐辛子は1~5段階までレベルを選べます。

でも初めてなら私はレベル1が良いと思いますよ」

と教えてくれたので、レベル1で注文することに。

そのあと友人がスープについて質問していたら

「ちょっと!しゃべりすぎだからまたあとで注文したら!」

とカウンターの向こうからリーダー……

我々はまだスープについての疑問が解消されてなかったのだけど

「今度はリーダーが来たらどうするの?私こわい」

「私も、もうこれ以上ため息つかれたら耐えられない」

とメンタル面の弱さを露呈しながらおそるおそる

カウンターの方を見やると、新人のニューフェイス姉さんが

気づいてやって来てくれました。胸をなでおろす一同。

 

さて、最初にやってきたこちらは牛肉の胡麻ダレ和え。

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胡麻もゴマ油も両方効いていて、甘辛のタレなんだけど

普通の甘辛よりやはり辛みがぴりりと効いています。

このタレがおいしく、ご飯にのせるだけでちょっと満足。

下にセロリと、大量のピーナッツが敷きつめてあり

なるほどこれは、辛いなと思うたびピーナッツをつまむと

辛みが緩和されるシステムなのか……

 

そしてこちらが暖かい餃子に甘辛のタレがかかったもの。

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四川風餃子Ravioli sichuannaisesという料理名ですが

四川ではこんな風にして餃子を食べるのでしょうか?

でも同じ甘辛いタレでも初めの料理とはまったく違います。

おそらくこの2品は、唐辛子レベルをどう設定しようと

同じ辛さでやってくるものなんじゃないかと推測します。

 

さてお待ちかねの魚のスープ。

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スープと書いてあるものは4品あり、ニューフェイスの姉さんが

「他のはすごく辛い。これだけちょっと酸っぱい」

と言っていたもので、たしかに唐辛子は見当たらず

十分ごくごく飲める辛さ。

ザーサイが大量に入っていて、酸っぱいのはその効果かも。

私はこのスープすごく好きです。

 

そして四川料理だし、外すことは出来ない麻婆豆腐。

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パリの中華でいろんな麻婆豆腐を食べてみると

いろいろな作り方があるもんだなと日々発見があります。

色みや豆腐の硬さや、ケチャップ使ってるところもあるし……

パリのお店で食べた中では、これはかなり好きなタイプ。

なにか黒豆のようなものが入っているけど、なんだろう?

でもレベル1では圧倒的に唐辛子不足です。

 

私の辛さ耐久レベルは、日本人の標準だと思います。

もしかしたら標準よりは若干弱いかもしれません。

そしてこの日は私の他に「辛さにかなり強い人」と

「辛さにとても弱い人」とでちょうど3タイプが揃い

この麻婆豆腐は辛さに強い人は「全然辛くない」と言い

「辛さにとても弱い人」は「これは辛すぎるかも」

と言っていました。私の印象では麻婆豆腐よりは

スープの方が辛かったように思うのだけど、ミステリアス。

このように3タイプ揃った場合にはレベル1で頼むか

レベルを料理ごとに変えて頼めば良かったと思いました。

でもそうすると弱い人が食べられないものも出てくるから

なかなか難しいところではあります。

 

入るころはガラガラだったけど食べ終わるころには

外に並ぶ人も出て来て、そろそろだろうと思ったリーダーが

テーブルの側にやって来て私達をじっと見る……

「え、なに?」とリーダーを見やると、なんでもないわよ

というようにぷいと顔をそらす、というリーダーの商法に

あ、お支払いを、とこちらが根負けすると

なにかが破壊されていくような音を立てながら

食器を片付けて行くリーダー……

食器が手から滑り落ちてパニックになるリーダー……

よくわからないけれどごめんなさいリーダー……

でもなんだかんだリーダーとニューフェイスの

アメとムチサービスが良いハーモニーを醸す店。

 

店内は日本人も多く、本場の味だと言われているみたいですが

私の感想では辛いけど味付けはどちらかというと日本人好みで

さらに店内の清潔な雰囲気も手伝っての人気でしょうか。

今度はレベルを上げて挑みたい。

大満足の晩御飯でした。

 

Deux fois plus de piment

33 rue Saint Sebastien 75011 Paris

TEL:01 58 30 99 35

メトロ:8番線 SaintSébastienFroissart、5番線 RichardLenoir、9番線 SaintAmbroise

 

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