レ・フィロゾフのおいしい生肉と哲学的トイレ

パリのレストランとカフェ

 

ある日マレ辺りをうろちょろしていて

お腹が空いてきたので何か食べようと入った

レ・フィロゾフles philosophes。

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ここはわりとおいしいし、内装も素敵だし

給仕もみんなクラッシックなスタイルを守り

観光で来る場合には

「あー私、パリに来てる、これこれ」

という気持ちになれること請け合いですよ

……というようなことがよくガイドブックに書いてあります。

そしてその通りだと思いますよ。

いつでも混んでいるので並ぶこともしばしば。

あまりに並んでいて隣の

“LA CHAISE AU PLAFOND”

いう店に案内されたこともあります。

メニューもシェフも一緒だからということですが

観光の一環としてくる場合には雰囲気が大事なので

給仕に「急いでないから待つ」と伝えれば大丈夫です。

 

ところでクラッシクなパリの雰囲気を味わう

とはいうものの、いつからなのかわかりませんが

今現在のシェフは日本人男性のようです。

メニューにもまるでそれが売りのごとく記載してあり

たしかにパリで「この店おいしいな」と思うと

結構な割合で日本人シェフだったりするので

私にとってはかなり安心材料となります。

この日は久しぶりにステーキ・タルタルを注文。

給仕の男性は私が「ステーキ・タルタル」と言うと

眉間にシワを寄せながら

「君はステーキ・タルタルがなんなのか知ってるのか」

と問うてきます。

え、知ってるけど……そういうことじゃなくて

もっとステーキ・タルタルに対する情熱みたいなこと?

それともステーキ・タルタルの存在意義について?

哲学者による洗礼を受けているのか……

考えない者喰うべからず……

と一瞬パニックになりましたが、結局

外国人は生肉食べないことが多いからということで

紳士的に気を使ってくれただけでした。

大丈夫、ありがとう。

 

この店はステーキ・タルタルが3種類くらいあり

それぞれ付け合わせが違うので、単に付け合わせの

違いだけかと思ったら、隣のおいちゃんの食べていた

焼きポテトが付け合せてあるものと、私の

サラダが付け合せてあるものはまったく色味が違って

おそらく味もかなり違うのではないかと推測されます。

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ところでここのステーキ・タルタル、とてもおいしい。

塩気がちょうどよく、酢がしっかり効いていて好み。

普段は私めったにステーキ・タルタル食べないし

三分の一くらいで飽きてしまって残してしまうのです。

マグロ納豆くらいの量がいいなと思う。

ところが今日はほぼ完食いたしました(みんなが私の

ステーキ・タルタルがおいしいというので少しシェアした)。

見た目はちょっとアレだけど注文して損なし。

 

私以外がみんなこぞって頼んだブッフ・ブルギニョン。

これもすごくおいしかった。とろけるよう。

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さすが日本人シェフ、日本人好み!

量がどちらもすごくて、隣の姉さんが食べてたタルトなんて

とんでもないでかさでした。

steak tartareとbœuf bourguignon、どちらも20ユーロです。

 

さて、ここは店内のいたることろに

哲学の言葉の切れ端がちりばめられているのが魅力。

壁にもメニューにもトイレにも。

トイレは一度行っておくことをお勧めします。

まるで哲学者の書斎のような雰囲気です。

本の山、言葉の山。

トイレの中でしばし考えてしまう。

トイレって良いアイディアが浮かびやすい場所ですよね、そう言えば。

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「私はなにを望むことを許されてるのか?」

などと自問の言葉がいたるところに。

 

先進国で悪さもせず生きてる我々には

トイレは許されています、とりあえず。

 

Les Philosophes

28 rue Vieille du Temple 75004 Paris

Tel:01 48 87 49 64

メトロ:1番線 Hôtel de Ville

日曜営業

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