このロンドン旅行をする前に、偶然日本語ペラペラのフランス人客室乗務員と知り合い、当然というべきか、かなり旅慣れた方だったのでロンドン旅行ポイントについて訊ねてみました。
その人が言うには
「何といってもロンドンでカレーは外せない、ロンドンはじつは世界で一番おいしいカレーが食べられる場所なのだ」
ということで、それを聞いた瞬間、私の中に眠っていたカレー魂が熱くたぎったことは言うまでもありません。
おいしいカレーが食べられる地区は主に二つあって、ひとつはインド街と言われているSouthall地区。もうひとつがよく知られているBrick Lane地区。Southallは本場の味だけど、住宅街のような感じで観光には向いてないとのこと。郊外なので少し距離もあるし、Brick Laneの方が観光客には楽しいからとおすすめしてもらいました。
世界一のカレーなんていったいどんなカレーなんだろう!とうきうきしながら、日中別行動をとっていた友人とAldgate East駅で待ち合わせました。駅の印象はなんだかビジネス街みたいな印象だったのに、少し歩くと徐々に雰囲気が変わり、「うん、カレー食べられそう!」という確信に満ちてきた。
駅からずっとパリにはない雰囲気を味わえて楽しかった。
ストリートアートもそこかしこに見られ、なんだかいろんなものがごった返している「うま煮」みたいなムードがわくわくさせてくれます。
ほんとうにカレー屋ばかりが並ぶストリート……すべての店に「コンクールでグランプリ取った」みたいなことが書いてあり、このインチキ感こそまさにインドであると期待はさらに高まります。
そしてなんとなくみんなが「オレんとこが一番」と言っている中でもグランプリ取った写真も貼り付けてあって信憑性の高かった店に入りました。アラジン。
インドと言っていますがほんとうはこのあたりはバングラディシュからの移民が多い地区らしいです。というわけでここもインドというよりはバングラディシュタイプのカレー屋なのかもしれない。バングラディシュタイプのカレーてなんだって言われたらよくわからないのですが……
とにかくその関係によりアルコールは置いていませんでした。バングラディシュタイプかもというのは、どうもインドはまあ男性ならアルコールはOKみたいなんですね。バングラディシュは性別問わずダメなことが多いんだそう(あやふや)。
私はほぼ下戸なので良いとしても、友人はワインの見本市にトランク引っ張って行くような人です。奥のテーブルの白人男性がアルコールのようなものを飲んでいるのを目ざとく発見し、「あれはどういうことなのか」と店員に問うと、なんと思わぬサービスが……
まあ近所のスーパーかどこかに買いに行ってくれるわけなんですが、アルコールを店に置いてはいけないけれど、買いに行って提供するのはセーフ、のその境界線みたいなものが私にはよくわかりませんでした。
「アイツが!アイツが私にこれを買いにいけと……!」と言えば大丈夫、てことかな……
注文時に突き出しのポポドム(パパドゥ)がいるか?と訊かれます。せんべいみたいなのに各種ソースが付いてくるものです。
他のテーブルはすべて頼んでいましたが、私たちは友人も超少食であることだし、断りました。料金については不明。
カレーはチキンバターカレーと海老のバターカレー。普通のチキンカレーや海老カレーよりちょっと2~3ポンド高めのものにしてみました。この「バター」という一言が入るのと入らないのとでは、カレーとしての吸引力がケタ違いです。
どちらも10ポンドしなかったと記憶しています。
スパイスが複雑に効いて、おいしい!おいしいです!
これが世界一の……!
教えてくれた客室乗務員に「今まさにカレーだ」とメッセージを送ります。
そんなに辛くありません。チキンの方はむしろ甘めと言っていいかもしれない。私は海老が好きだった。
ごはんと、ガーリックナンも頼みました。
ガーリックナンは熱くておいしかった。日本でガーリックフランスを食べる喜びとほぼ同じ喜びを感じます。
ロンドンにはまともな食事がないなんて誰が言ったんでしょう!カレーがあるじゃないか!
こうして世界一のカレー堪能しました。
とはいえインド行ったことないので比べようがありませんが、まあグルメセンスは38点くらいの私の目を見据えて「世界一なんだぞ!」といえば納得させられる……くらいのおいしさですよ!どうなんですかねそれ!
Aladin
132 Brick Lane London E16RU
Tel:020 7247 8210