昨日スーパーマーケットで買い物をしていると、たまたま目に入ったこれ。
この頭や耳や首元の宝石、それからこの細かなレース部分は立体になって、
とにかくものすごくディテイルに凝ったデザインです。
私が見た限りでは全部で6種類くらいだったと思います。
ヨーロッパ各文化の王女をイメージしてるんでしょうか。
これ、NANAという衛生用品ブランドのおまけで、ナプキンケースだと思います。
フランス人女性に以前ナプキンを借りたらこのかたちのケース使用でした。
日本だとこれ、会議で提案しても却下されそう。
もっと可愛らしい柄とかキャラものとかに決まるはず。
これこそまさにフランスならではのおまけだと思います。
見た瞬間にガサっとかごに入れる……
これは他に比べると派手さはないけど、
片耳に大きなエメラルドのイヤリング、
片方にレースの布が飛び出ている部分が異様にツボで……
ところで私がときどき行くスーパーマーケットでは、
信じられない絢爛豪華ファッションウーマンがレジを打ってくれます。
おそらくアフリカからの移民である彼女、
迫力満点ボディにゴージャスな布を巻き、
頭にも同じ柄かもしくは合う布(チェック×チェックの上級技も)を巻き、
大きなイヤリング、指には大きな石の付いた指輪たち、
ずしりとしたネックレス、そして高く巻き上げた頭の布はいつも、
ラインストーンがちりばめられたワニが二匹、
あるいはいろどりどりの羽のオウムが二羽、という、
いったいどこで買えるのか予想もつかない装飾品でかざられています。
メイクももちろん目元重視で、手を抜いているのを見たことがない。
しかも布は見るたびにちがう柄なのですよね。
一度夏に、目の覚めるようなターコイズブルーの布を頭と体に巻き、
目元には同色のターコイズブルーのラインを極太に引き、
頭にはオウム、イヤリンクはブルーの石、
といういで立ちであった彼女から目が離せないことがありました。
ここはほんとうにスーパーマーケットなのかしら?
と客に思わせる鮮やかさ、
その姿はさながら気高きアフリカの女王のよう。
私なら、
毎日仕事に来るのにここまで完璧に自分のスタイルを貫けるだろうか?
ファッション関係の仕事ならともかくまったく関係のない仕事なのに?
彼女の女として自分を飾り立てるという意識の高さに頭が下がる思いです。
さて私がこのおまけを買った(買ったのは生理用品)スーパーは、
たまたま彼女のいるスーパーでした。
そしてたまたま並んだのが彼女のレジだったのです。
ゴージャスな彼女はこのゴージャスなおまけたちを手に取り、
「これいいわね!うん、すっごい、いいじゃない!」
とべた褒めだったのです。
彼女に声をかけられるのが初めてでびっくりして、
「そう、いいでしょう?」としか答えられなかったのですが、
彼女が褒めるのは当然、だって彼女はまさに、
このままのスタイルで出勤しているひとだもの……
これには彼女の美しいと思うものすべてがつまっているのだろう。
なんとなく畏怖の念から話しかけられなかった彼女に、
NANAのゴージャスなおまけのおかげで初めて声かけてもらえた、
という、積極性の足りない一面を露呈するお話しでした。