なんとかと煙は高いところが好き、という言葉がありますが、
私も例にもれないのかもしれません……
どこか知らない町に行けば高いところから見下ろしたい願望が、
ごく自然に湧きあがってきては探し回ります。
でも見下ろしたいひとがたくさんいるからこそ、
展望台も世の中にあんなにあるわけですからやはり、
パリに来た人もどこか、「見下ろす場所」を探しているかも。
ところで私は未だにエッフェル塔に上ったことがありません。
なんだかひとも多いし料金も高いし面倒だし、
観光スポットではモンマルトルか凱旋門は良い見下ろしスポットです。
でもモンマルトルはいくのが面倒だし、凱旋門は普段は有料だし、
無料で、あんまりひともいなくて気に入ってる見下ろしスポットは、
まずプランタンの屋上。
コスメ館(三つあるうち真ん中)の屋上でカフェと軽食もあり、
夏になったらずっと明るくて、つい長居してしまう。
サクレクール寺院もばっちり見える。
反対側からエッフェル塔も。
友人がプランタンに登れること知らなかった、というので一緒にきたのですが、
ちょっと前から話題のパリの公害について、
「前はもっとクリアに見えたのに今は霞んでる……」
と嘆いていました。
パリはいつでも曇ってるしこんなもんだろと思ってあんまり気にしてなかったけど、
たしかに今日は晴天なのになーとちょっと深刻に考え始めました。
べつのところで先にコーヒー飲んでしまったので今日は見下ろすだけ見下ろし、
もうひとつの穴場だと思う見下ろしスポットへ。
Institut du Monde Arabeアラブ世界研究所。
メトロ10番線 Jussieu駅を降り、セーヌの方に進んでいくとあります。
エッフェル塔近くにあるエキゾチックな美術館、ケ・ブランリーと同じ、
ジャン・ヌーベルの設計です。硝子が多用され、光に透けて美しい。
入り口で荷物検査があり、すぐ横のエレベーターで最上階へ。
トイレもわりと清潔で無料なので、良いトイレスポットです。
ここからはちょうどノートルダム寺院が見えます。
モロッコ料理(だろうか?)のレストランが屋上入口にあり、
値段もそんなに高くないので一度行ってもいいかもしれない。
さてアラブ世界研究前にはトレインを発見。
前はなかったのに。
入場料がいるようになっているトレインの前には列が出来ていました。
大人一名13ユーロだったからそれなりのものがあるのでしょう。
もうひとつはレストランのようでした。
友人と、じゃあ今日ここで食べる?とメニュー見に行くと、
前菜・メイン・デザート・半ボトルのミネラル・ウォーターで
なんと130ユーロ!!
ひゃっほう!星つきでもあるまいに!
でもシェフの写真もメニューに載ってて、
シェフはなんだかいやらしい感じのイケメンで(失礼)、
いかにも歯がキラリと光りそうなその自信に満ちた笑顔を見ていると、
130ユーロ、なのかも……と思わされるマジック……!
そのための写真か……
あとまったく意味のない展示用らしいトレインも。
このようにして無料の見下ろしスポット巡りは更けていき、
安定の中華街で15ユーロの食べ放題を食べたわけでした。
旅行中らしき日本人男性三人組がとなりのテーブルで食事中で、
「たっけー!!」
といいながら男らしくたいらげておられました。
あの130ユーロを見せてあげたい!