今年に入って初めての外食は中華でした。
ちょっとキレイめな良い中華。
まだ開拓していなかった9区のあたりなのですが
このへんは評判のよい中華がたくさんあります。
この日私は大変に体調が悪く、はっきり言って
右も左もわからぬほどふらふらの身体で
闇の中、手探りでたどり着いた中華がこちら……
中国八代料理のひとつと言われる湖南料理。
この日は奇しくもフランス全土を揺るがせた7日でした。
でも体調が最悪だった私は半径1m以上のことは
なにも感知できない状態で、テレビは愚か
新聞もラジオも、電話もPCもいじる元気がなく
健康というものはほんとうになによりも最優先されるのだなあ
と後から茫然と思い知るのでした。
しかし思い返してみれば、この日のレストラン内では
店員も客もみんなにこやかで談笑しながら
酒を飲んだり肉を頬張ったりテーブルぐるぐる回したり
不穏な空気なんて微塵も感じられませんでした。
さて最悪な体調を抱えているときはなんといってもスープ。
私、数日間ご飯も作ることも食べることも出来なかったので
ひさしぶりにありつくご飯は胃に優しいものと決めていました。
湖南料理は酸辣湯も代表的な料理らしく、大好きなのですが
今日は優しい味のこちら海藻のスープ。
海藻って、昆布がぺろんと大量に入ってるわけですが
昆布食べるのもひさしぶりなのでなんだか感動しました。
昆布出汁がよく効いていて、安い中華だとときどきあるような
化学調味料の味は一切しません。
しみわたる。
こちらは牛肉と野菜の炒め物。
ちょっとピリ辛ですが辛すぎないので大丈夫。
濃いめですがご飯のお伴に最適。
さてこれは「南瓜餅」という湖南料理のひとつだそうです。
中国在住の方のブログにちょくちょく登場していたのを読んで
これは一度食べてみたい、と思っていたので即注文しました。
私はなんとなくかぼちゃコロッケみたいな
トロッっとした中身を想像していたのですが割ってみると……
!!
まさかの空洞!!
クレームなんてつけられるだろうかこの私が……
「ちょっと中見2%くらいしか詰まってないんですけど!!」
……って言える?
いや、でもこんなものなのかもしれないと思って食べてみると
本当に南瓜餅の「餅」部分は間違っていない
薄いけれどものすごく濃厚な餅が衣の内側に張り付いていて
もしぎっしり詰まってたとしたらひとくちでギブアップ
という感じの味でした。
これで間違ってなかったんだ……
ただお腹がすいてるときのおやつにはいいけれど
ご飯のおかずにはぜったいなりえません!
二つ食べたらフウフウ言うほど満腹になりました。
「胃に優しい食事」はどこいったの。
そして魚料理から一品。
大と小があり、こちらは小です。
酢の効いた出汁醤油のようなタレがかかっていて
私の好きな味でした。
もうひとつ、キャベツの小鍋みたいなのを注文しました。
……が、おいしかったのでむさぼり食ってしまい
写真をとるのをわすれました。
ただのキャベツなのに、不思議にすごくおいしかった。
魚にかかってたタレと、似てるけど微妙に違うタレ。
……で、こういうちゃんとした店ならばもしやと思い
杏仁豆腐あるかと訊いてみたのですがやっぱり
店員さん(確実に中国生まれ)は首をひねるばかり。
漢字で書いて見せたけれどやっぱり知らないという。
「杏仁」はわかるけど「杏仁豆腐」は知らないのだというのです。
もしかして別の名前なのだろうか?
というわけで今年一発目の中華は大変感じが良く
さらに味も良いという、大当たりな店でした。
値段もそれほど高くない。
こんな「うちは国際的にすげえ店だ」というようなプレートもありました。
まあこれは嘘でしょう!知らないけど!
とりあえずHPはフランス語と中国語だけでした。
でも清潔で、店員も皆にこやか、水をドンと置かれたりもしない。
中華は食べたいが安くておいしくてキレイめなところはないものか
と思われてる方には是非お勧めします。
今度は大人数で行ってテープルぐるぐる回したいです!
福源豊 L’Orient d’Or
22, Rue de trévise 75009 Paris
Tel: 01 48 00 07 11
営業時間:12h00-14h30 19h00-22h30
定休日:月曜
メトロ:7番線 Cadet/8,9番線 Grands Boulevards