この前店でオレンジジュースを注文したら
「切らしている」
と言われ
オレンジジュース切らすってよっぽどだなと思いつつ
じゃあかわりにコーヒーを頼むと
「マシンが壊れている」
と言うのです。
困るわーなににしようと悩んでいると
「しかしちょっと待て」
と店側は店員3人で必死にマシンを直し始め
40分後に私は晴れて1ユーロのコーヒーを
手に入れることができたのです。
店の前にはスーパーがあり
オレンジジュースを買いに行った方が早いけど
そこはフランスの
「コーヒーだけはなんとしても」
というプライドだったのか……
となんとなく勝手に思っておる次第です。
さて私の大家さんは
ものすごくフランス魂を持ったフランス人であり
マクドとスタバにはぜったいに入りません。
この2つがフランスに入った直後は
ほとんどのフランス人は拒絶していたようですが
今となっては屈したどころか行列が絶えることがありません。
マクドは安いからで、スタバはトイレがあるからだと思います。
無料できちんと掃除したトイレが使えるということは
パリではすごくすごく貴重なことで
小銭が必要なトイレなのに
小銭をいれてドアを開けたらもう地獄
ということもめずらしくないため
トイレを確実に使えることがわかっているという安心感は大切。
パリのカフェよ、早く気づいて!
一方でスタバは、雰囲気がコーヒーの味に勝っているというか
コーヒー好きは口をそろえてスタバのコーヒーおいしくないと言います。
ヨーロッパのおいしいコーヒーとは比べ物にならない。
それでも入っちゃうのは……
パリにおいてはトイレの問題と世界的チェーン店の安心感。
日本においてはなんとなく話題性から始まりそのままそれが続いて……
といったところで、ほんとうは日本であんなに人気なのは不思議です。
日本でトイレに困ることはないし、おいしいコーヒーもたくさんあるし。
ただアメリカでは……
アメリカはコーヒーが泥水のようだ、とよく話には聞いていて
実際アメリカに行ったとき
どこの店に入ってもポットから泥水注いでくれるので
「噂はほんとうだったんだ!」
と感動したくらいです。
イタリア料理店でさえ
コーヒー頼んだら「ポットから泥水」だったのが衝撃で
その後エスプレッソ頼んだら
やっとまともなコーヒーが出て来てほっとしました。
だからあの中においては、あのアメリカにおいては
スタバの出現で「こんなうまいコーヒーが!」
とアメリカ人は感動したのかもしれない
と私は勝手に想像しています。
実際アメリカでまともなコーヒーを飲むには
スタバしかないような印象だったし
あるにしても探すのが面倒なので
「スタバにさえいけば」を合言葉にアメリカ人は
安定したコーヒーライフを得たのであろうと思っています。
しかしこんなにコーヒーにこだわりのあるフランス人が
スタバのコーヒーで満足しているというのは
「いいの君らヨーロッパ人として?」と余計なお世話ですが
ちょっと勝手に焦りのようなものを感じるのです。
このままコーヒー文化がすたれるんじゃないか……
などという心配は杞憂だとわからせてくれるのが
私の大好きなMalongoカフェ。
同じチェーンでも
ここのコーヒーはとってもおいしい、と私の大家さんのおすすめ。
「今日のコーヒー」が一番安く、2・5ユーロです。
これは友人の頼んだcafé viennois ウインナーコーヒー3・8ユーロ。
しかし一番のお気に入りだった店舗はつぶれてしまいさびしい。
なぜつぶれたのかわからないほど感じの良いお店で
ちいさいけどゆっくりできてボサノヴァ的BGMがいつもかかっていて
本を読むのに最適のカフェだったけど、近くにあったスタバに負けたのか……
しかし写真の店舗も近くにスタバあるんだけどなあ……
トイレもちゃんとあるし、コーヒーおいしいし、種類もたくさんある。
私はパリのコーヒーチェーン店では一番好き。
べつにスタバを悪く言っているのではありません、
スタバには、世界中どこに行っても、
その土地の勝手がわからなくてもスタバさえあれば
即飛び込み、安心して身を任せることが出来るという良さがあります。
トイレの整ってないパリに旅行に来たなら
緊急時はスタバで間違いありません。
マクドはレシートのコードが必要だったり小銭がいる場合が多い。
一度だけ、たしかÉtienne Marcel辺りで
コードのいるスタバのトイレに遭遇したのですが
困り眉でうろうろしてたら勝手に誰かがコード打ってくれると思います。
チェーンだけど一応、写真の店舗の住所はこちら。
Malongo Cafés
50 rue Saint-André des Arts 75006 Paris