子供のころなぜだか酒豪にあこがれていました。
いくら飲んでも酔わない強い女!というイメージにとらわれていました。
大人になったら必ず飲める人間になるんだろうと思っていたのに、
なってみればまさかの下戸……!
いや下戸というのは言い過ぎで一杯くらいなら飲めるのですが、
むしろあこがれと現実のギャップを埋めようと二杯三杯頑張るのですが、
もう疲れてしまって……私、疲れてしまって……
おそらくおいしさ自体がわかっていないのだろうと思います。
弱いけれどお酒の味は好き、というひとはいますから、
私は、弱いし味も好きじゃないけれどやる気だけはある、
という結果的に誰の得にもならないタイプです。
しかし人間、楽な方へ楽な方へと流れてしまうもので、
ここ最近まったく一滴のアルコールも身体に入れずにいたら、
先日参加したパーティーで飲んだ一杯のワインでえらいことに。
家に帰る前からなんだか手足が痛いな、と感じていて、
帰って眠るころには手足がもげそうな痛みに変わりました。
だるすぎて痛いような、ひっぱられているような、筋肉痛のような。
眠ることもできずにいったいこれはなんだと急いで調べてみたら、
「アルコール性ミオパチー」
という言葉が出てきました。
お酒の弱いひとや極端な大酒飲みに発症しやすいみたいです。
筋力の低下、筋肉痛、筋繊維の部分壊死、血中へのミオグロビンの溶出、
など、おそろしい症状が……壊死とか……
アルコールを完全に排出し、抜けきるまで断酒すればよいらしいですが、
一杯しか飲んでないのに断酒もなにもありません。
要するに弱い人間は飲むなという啓示なのでしょう。
筋肉、美容と健康にものすごく大事だもの。
私は「酒は百薬の長」という言葉をなんとなく信じていたのですが、
こうなってくると酒が美容と健康にいいというのは嘘ではあるまいか、
と思えてきました。
調べてみたのですが、いろいろなひとがいろいろなことを言い、
それぞれの意見をまとめて平均してみると、
「ほんのちょっとを毎日飲むと血行が良くなっていい」
という感じになると思います。
飲みすぎると血管が収縮するため良くないよ、ということです。
でもそんなのはどんな質問に対しても、
「良いとも言えるし悪いとも言える」
「ケースバイケース」
「ひとそれぞれの価値観だから」
と答えてしまうひとのようで、私はなんとなく納得できないのです。
自分が飲めないからじゃなくて、あの夜の手足の痛み、
それが筋繊維の壊死かもしれないということ、
また酒を飲むひとは筋肉系の怪我をしやすくて回復も遅いらしく、
健康はともかく美容に関してはいいとはいえないと思うのです。
ただお酒の好きなひとにとってはストレス解消になるので、
ストレスが身体に及ぼす影響を考えれば飲酒した方が良いのかも。
ところで「酒は適量」とみんな言うけど適量ってどのくらいなんでしょう。
飲酒するとアルコールを分解するのにアセトアルデヒドが発生します。
これがとんでもない毒なので身体がすぐに排除しようとし、
それで飲酒すると血行が良くなるらしいのですが、
アセトアルデヒドは体臭の原因にもなることで知られています。
お酒飲んですぐにお酒臭くなるひとがいますが、
「適量」というのはたぶんこのにおいが発生する前なんじゃないか、
と思います。
排除されたアセトアルデヒドが他人の鼻に届く前。
個人差がもちろんあり、いずれにしろ私のような下戸組にとっては、
酒は百薬の長にはなりえないので無理して飲まない方がいい、
とやっと、やっと悟ることが出来ました!
あの夜のあの痛み、あれはたしかに身体が壊れていく痛みだった……
しかし友人から、
「フランスにいるのにお酒が飲めないなんてものすっごい損してる!
こんなに安くておいしいワインがじゃんじゃん飲めるなんて極楽よ!」
と言われてちょっとへこむ……私だってできることなら……!
そんなときはこう考えるのです、酒が飲めなくて損してるんじゃない、
酒が飲めないから美容的には得をしてるんだと!