昨夜のワールドカップ決勝はカフェのTV前で大騒ぎする人々を尻目に
いそいそと家に帰りアルゼンチン人の友人にそっと慰めメールを送るのみという
それもこれもまず私がサッカーというものをまるで理解していないから
ルールでもせめて知っていれば叫びどころもわかると言うものだけど
しかしそうは言っても四年に一度という希少価値の大会だから
なんとかその熱狂の端の端の端くらいをほんのちょっと齧りたい
そのようなミーハーな心に導かれスーパーで買ったこちら
……チーズ。
フランスにいるのに本気のチーズが好きじゃない私。
ワインもビールもチーズもダメな私。
ワールドカップが四年に一回だということは
ほんとうは今調べて知った私。
そんな私ですが、このベビーチーズ的な、
子供のおやつ的立ち位置のチーズは好き。
あまり人様には言えないけれど
この手のチーズ食べてすぐ牛乳飲むのが好き。
不思議な甘さがあるんですよ……
それにチーズはほとんど血糖値が上がらないので
砂糖断ちのおやつにも良い。
なんともいえない可愛さでつい買ってしまった一品です。
チーズを入れるらしきケースが付いてたので
そうかこれはバナナケースみたいなやつだなと入れてみると
入らない……?
変わりに長靴が出てきて私の頭の中は?マークでいっぱいに。
仕方がないのでおとなしく説明書を読むことに。
どうやら長靴(サッカーシューズ)に贔屓の国の旗シールを張り
靴を指にはめてチーズをボール代わりに指サッカーを楽しむ
というもの。
つまりこのワールドカップ記念チーズをもうひとつ購入して
もう成人した大人が、やはり向こうも成人した友人の一人に
どうか相手をしていただくよう平に頼み込まねば
この指サッカーできないなあ、と1、5秒間の考え
あまりに果てしないのでゴミ箱ゆきとあいなりました。
チーズはおいしくいただきました。
ベビーチーズよりふわっとしている。
……私のワールドカップはこのようにして幕を閉じたわけです。
等と言っておるとすぐ翌日が7月14日の革命記念日。
パレード、とか、騎馬隊、とか、行進とか
もう人酔いするのわかってるから
面倒くさい気持ちが圧倒的に勝って
逃げるように軽いホームパーティーに参加。
よかったそれでもちょっとはイベントに参加できて……
そしてこちらは窓からトリコロールの煙を吐くべく舞う飛行機。
……が、トリコロールはうまく取れなかった模様。
いいじゃない、飛行機だけでも、私は満足です。
さらに夜になり、エッフェル塔で素晴らしい花火を見ることに。
その前に素晴らしい歌等を
エッフェル塔下のステージで披露されていたようですが
とてもそんなの見えるわけはありません。
場所取りする気概のある者たちにのみ許されるステージです。
花火さえ見られれば私は満足。
昔からなぜか花火だけは見逃したくない。
いつものシャンパンタイムのキラキラ+花火という豪華仕立て。
しかし私の撮り方のせいだと思いますが
「なにこれ?エッフェルすごいことになってるけど大丈夫?」
という言葉しか出てこない写真に。
わりと興奮して見ていると
ものすごい高身長カップルが我々の目の前に割り込み
そのすぐ後ろにいた背の低い黒人女性から激しいブーイングが!
男性は肩身が狭そうに逃げてゆき、女性に手招きしていましたが
女性のほうは断固として動かず。
そして
そんなことは些細なことさ、どうでもいいじゃないか
とでも言うように、花火とともに流れ始めた
ジョン・レノンのイマジンを女性たちは大声で歌い始める。
さっきまでプンプンしていた二人の女性……ジョンはすごいな……
メトロの入り口がいくつか封鎖されていたのもあり、帰りは
メトロの中に入ることさえ困難に。
これも花火というイベントに含まれているんだよね
この地獄のような帰り道というものも。
行事があるとどうしていいかわからなくなる女にしては
努力賞と言っていい日でした。