私はよくフランスで「日本人は歯並び悪い」というようなことを
なんだかブラックジョーク的なムードで言われたりします。
そのたびになんでわざわざそんなこと言うのだろう
フランス人だってそこまで歯並びに命懸けてなくない?
と不思議な気持ちになるのだけど
人によっては他人の歯並びのことが気になって仕方ない場合も
まああるのだろうな、と受け止めています。
しかし、ほんとうに日本人は特別に歯並びが悪いのでしょうか?
私個人の経験から言うとそんなに多いわけではない気がします。
すごくキレイな歯並びの人ってたくさんいるし
そんなにひどい歯並びの人に会うことも滅多にない。
でももし「日本人は歯並び悪い」という印象があるなら
それは実際に歯列矯正をする人が少ないから
というだけなんじゃないかと思います。
歯列矯正で失うものなんて何もない!
私は過去に歯列矯正をやっています。
それは審美的な理由ではなくて
このまま行くと健康面で将来的に問題が生じるかも……
と言われていたからなのですが
やる前は
「ああイヤだな……この歯列矯正をする数年は
私には諦めなくちゃいけないものがたくさんあるだろう」
と考えていました。
実際、歯列矯正には2年くらいかかったと思うのだけれど
事前に考えていたようになにかを「諦めた」というようなことは
ほとんどなかったように思います。
初期は痛すぎてご飯食べられない、というくらいです。
まわりからからかわれたりすることもほとんどありませんでした。
1,2回ほど知らないおじさんにからかわれたけれど
知らないおじさんだし、そんなの痛くもかゆくもありません。
ときどきおしゃれ過ぎるモデルやタレントが
おしゃれの一環として歯列矯正したりしてますが
そういう彼女たちのおしゃれパワーによる活動のおかげで
一般人が歯列矯正の銀色によって失うものは
圧倒的に減っているのかもしれません。
ありがとう!おしゃれな人!
とはいえ歯列矯正の銀色は、冷静に見るとたしかに美しさに欠けます。
でも私は歯列矯正する前は知らないおじさんに
「君はその歯のおかげでぜんぶ台無しだなあ!」
と言われていたりしたので
一生そんな「台無し」イメージを抱えて生きることに比べれば
数年の我慢くらいいったいなんだというのでしょう。
それにしても私の
「知らないおじさんから受ける攻撃率」の高さといったら!
歯列矯正は将来の身体の不調を予防する
ところが、これは最近知ったことなのですが
日本では歯列矯正が「美容整形」のひとつとして
とらえられている風潮が一部あるのだそうです。
たしかに審美目的だけの歯列矯正は
身体のことを考えてない場合が多いので
たとえば芸能人がデビューするのに
数カ月で無理矢理歯をキレイに直したりする
あれは「美容整形」と似ているかもしれません。
身体に負担が掛かることも多く、危険も伴います。
でもきちんした専門の矯正医のもと、時間を掛けて行う歯列矯正は
身体の様々な不調を治してくれるし
むしろやらなければ将来大変なことになってしまう場合も。
美容整形は将来不調が起こることが多いものだけど
歯列矯正はやらなければ将来不調が起こるかもしれないもの。
まったく別物です。
歯列矯正によって治ることがある不調の例として
- 偏頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- 歯ぎしり
- 身体のゆがみ
などがあります。
それに虫歯にもなりにくくなります。
食べ物が歯の間に詰まりにくくなるし、歯ブラシもやりやすくなるし
前歯が出ている人は寝ている間に口が開くので
その結果口内が乾燥して虫歯になりやすくなるのですが
それも改善します。
問題は、上記の不調って病院に行くほどでもない
と考える人が多いということです。
だから長い間我慢してしまって
ストレスにもなるし、重大な病気に繋がる可能性もあるかも。
私の場合でいえばひどい偏頭痛持ちだったのが
嘘のように治ってしまいました。
よほど寝不足だったりしない限り今は起こりません。
だから、あんまりないとは思うけど
「歯列矯正したいけど……これは整形なの……?」
みたいに思っている人がいたとしたら
そんなことで、1秒も悩んだりしないで欲しい!
身体が歪んでいるというのは思ったより大変なことなのです!
とりあえずモチベーションを上げるために
歯列矯正によって起こりうる良いことを挙げてみます。
- 偏頭痛・腰痛など、上記の身体の不調の改善
- 姿勢が良くなる(矯正の過程で歯科医に注意される)
- 小顔になる(とくにエラが張っている人は小さくなるかも)
- 深かった法令線が薄くなる人も(たとえば出っ歯による法令線など)
- 顔のゆがみが取れ左右対称に近づく
- なんとなく精悍な顔つきになる
- 写真うつりがよくなる
- 笑顔が華やかになる
写真を撮られるときって、たいてい笑顔だから
最後の二項目は同じことかもしれません。
あとから自分で写真を見返してみたときに
すごく笑顔がパッとしていて
記憶の中の自分の顔よりもキュッと整った顔立ちになっています。
これは歯列矯正を終えて一番びっくりしたことです。
どの歯医者を選ぶかで明暗は分かれる!
一般の治療においても、どの歯医者に行くかというのは
我々トーシロの頭を非常に悩ませる問題です。
私のときは、もう歯列矯正をするにあたり調べに調べつくし
いろんな歯医者に行っては説明を受けました。
ある歯医者では
なにも言っていないのに歯列矯正を勧められ
そこで受けた説明は
「費用は200万円で、8本ほど抜歯しなければならない」
というちょっと気の遠くなりそうなものでしたが
結局実際に通った歯医者では
「費用は80万程度で、抜歯は一切しない」
という、まったくかけ離れた内容だったのです。
どこが良い、というのはそれぞれ相性もあると思うけれど
とにかく行って説明を聞くのが一番です。
私が歯列矯正の歯医者を探すにあたり
人から聞いたり自分で感じたポイントとしては
- あまり看板が大きくない
- いつでも待合室が患者であふれている
- 歯列矯正の「専門医かつ認定医」がいる
- 美しさより噛み合わせを重要視する
- なるべく抜歯をしない
- 生活習慣の指導をしてくれる
- 費用が馬鹿高くない
- 歯の裏側からの矯正を勧めない
などがあります。
最後の項目は実際に私の通った歯医者で聞いたのですが
歯の裏側からの矯正をあっさり行ってしまう歯医者は
あまり歯列矯正について詳しくないか
「歯よりも患者の要望を優先している」のだそうです。
裏側からの矯正は目立たなくて人気なのですが
歯は動きにくく、動いたとしても思うような位置に来ないのだそう。
今は「インビザライン」という
透明で薄いマウスピースみたいな矯正器具がありますから
自分の状態によってはこちらを使ってもらえると
楽だし、まったく目立ちません。
あとは、人の噂や口コミや
「歯医者が通っている歯医者」というのを探したりしました。
待合室で待っていると
受付の女性に「先生」と呼ばれてる患者さんが入って行ったりする。
そういうところはやっぱり腕がいいなと思いました。
ダメだと思うのはあまりに楽すぎるところ。
「痛いのイヤ」「目立つのイヤ」「長くかかるのイヤ」
みないなこちらのわがままにあっさり答えてくれる。
検査を何度も慎重に行って、何度も通わなくちゃいけなくて
言うこと聞かなかったら怒られる、みたいに
良い歯医者で矯正すると、いろいろ面倒くさいです。
そしてそれが良い結果に繋がります。
人間、どうしても楽な方に逃げようとしちゃいますからね。
最後にひとつだけ、矯正中の冷麺は御法度!
これはほんとうに大事なことなので
よく聞いていただきたいのですが……
私、矯正も終わりかけたころに友人と焼肉食べに行って
韓国冷麺食べたんです。
あの冷麺ってすごく麺がコシがあって長いですよね!
もう矯正の痛みはほとんどなくてなんでも食べられたんですが
矯正器具に冷麺の先の方が絡まってしまい
反対側の麺が喉にちゅるんと入り込んでしまって
……つまり引っかかってるので飲みこむことが出来ず
そのまま窒息しそうになりました!
でも私、ものすごく見栄っ張りな性格なので
目の前の友人の話は平然とした顔で聞き流し
そっと下を向き指で引っかかった麺をぐいぐいして事なきを得ました。
ほんと怖かった!
ほんと、矯正されてる方&これからされる方は
冷麺だけは、焼き肉屋で冷麺だけは絶対に食べないでください!
笑い事じゃないから!
焼き肉はスープかなんかで締めてください!