みんなが絶賛する松嶋菜々子主演「やまとなでしこ」を初めて見てみた

                            

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ちょっと前に、突然私は「良い声ってどんな声なんだろう?」と思って調べていました。それで声についてのエントリも書きました。

→美声は顔に勝る武器!峰不二子に学ぶ声のアンチエイジングの重要性

そして調べていくにつれて、けっこういろんな人が「声の素敵な女優といえば松嶋菜々子さん」と思っているということがわかりました。

とくに、2000年に月9ドラマとして放送された「やまとなでしこ」の松嶋菜々子さんは、声だけでなく、ありとあらゆる面で最強に可愛らしく魅力的だというのです。

 

◆2000年の超人気ドラマを2015年に初めて見る不思議

 

それでこのドラマについて調べてみたんですが、平均視聴率26.4%という、モンスタードラマだったようです。

だったようです、というのは私はじつはこのドラマの存在を知らなかったからです。などというとびっくりされる方がいらっしゃるでしょうか……調べれば調べるほどこのドラマに夢中だった人は多いということがわかったので、「知らんかった」などというと非常識人枠にカテゴライズされてしまうかもしれないのが恐ろしいです。

でもちょっと言い訳させていただくと、私は子供のころから基本的にドラマというものを見ないんですね。ニュースもバラエティも見るけど、ドラマだけは見ないんです。と、いいながら海外のドラマは好きなんですけど、海外ドラマはもう「長い映画」だと思うことにしているので勘定しません。

今まで毎週楽しみにして見ていた日本のドラマは、たった二本だけです。日本に帰ると、ときどき初対面の女の子に「今なんのドラマ見てる?」って訊かれることがあるんですけど、冷や汗かきますね。せっかくの仲良くなれるチャンスをもうぜんぜん生かせない。

そんなわけで私は「やまとなでしこ」というドラマの存在をまったく知りませんでした。でもそんなに好きな人がいるんだったら、このドラマ、というかすでに伝説的な風情も感じられる松嶋菜々子さんの可愛らしさというものを、ぜひ見てみたい。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B6%8B%E8%8F%9C%E3%80%85%E5%AD%90

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B6%8B%E8%8F%9C%E3%80%85%E5%AD%90

 

そうしたら、もうほんとうにびっくりしたんですが、DVDを持っている女の子がいたわけですよ。パリで。

 

あなた、ワーホリで来たんだよね?

もっと持ってくるものあるよね?

ふりかけとか浴衣とかバラ撒き用のお菓子とか?

変圧器とか必要なかった?

パソコン初期化するためのCDある?

スーツケースの中は四次元だったの?

 

でも彼女にとってはバイブルだって言うんです。つらいときに見たら元気になるからホームシック対策なんだって。

もう……そんなにまで言うんだったら……見てみたいじゃないですか……

 

彼女は喜んで貸してくれました。やまとなでしこ好きになる人が増えたら嬉しいって言って。ほんとうに好きなんだなあ、と思って期待は高まりました。

 

それで、けっこう本気で睡眠時間を削り半日くらいで全部見たんですが、なるほどたしかになかなか面白かったんです。

古いドラマなので「これから見るのを楽しみにしてる」っていう人はあんまりいないと思うんですが、一応、ネタバレなど気にせず書いていくので注意してください。楽しみにしてる人はここで閉じてくださいね。

 

◆ラブストーリに夢中になれない人びと(私)

 

さて問題の松嶋さんの話をする前に、ちょっと話は戻るんですが、いったいなんで私はこれまで日本のドラマというものを見なかったんだろうな、と考えてみました。

よく海外ドラマと日本のドラマを比べる人がいるんですが、それはちょっとフェアではない、というか比べてはいけないと思います。

なにしろアメリカの海外ドラマというのは制作費がケタ違いなわけです。

今、私はこちらのTVで連続放送している「ウォーキングデッド」を見ているんですが、これはシーズン1でさえ1話あたりの制作費が340万ドルです。約4億円。1話に4億もかけられたら日本だってもっとすんごいもの作れるに決まってます。おまけに脚本家もひとりではなく、数人の脚本家が集まってアイディアを出し合い、脚本は練りに練りあげられるのです。そりゃあおもしろくなるよ。

 

ただこれは私にとっての問題の核心をついているとも言えて、制作費が少ないと脚本家は「なんとなく恋愛の話にしちゃいがち」ってことはあると思います。一般的に視聴者の関心を惹けて、費用が掛からないっていうと、自然と恋愛ものが多くなります。じゃなければ孤独のグルメみたいなグルメものとか。あとは職業ものとか。

 

それで、私みたいに思う人は他にもわりといると思うんですけど、私は映画でもなんでも恋愛がメインの話はあんまり見ないんです。恋愛の要素っていうのは、なにかもっと壮大な話に練り込まれてこそ面白いと感じるからです。世界征服とか、世界征服を阻止するとか、海賊王に俺はなったりならなかったり、そういう途方もない話の中に入っていてほしい。こういう恋愛ものに夢中になれない人びとが増えたのか、今は日本でも恋愛以外がテーマになってるものが多いですよね。

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たとえば前述のウォーキングデッドはゾンビものですが、そこらじゅうゾンビだらけでそれどころじゃない世の中でも、恋に落ちる男女ってやっぱりいるわけです。そうしたらいろいろ非日常な問題が出てきますよね。基本的にいつ相手がどうなるかわからない不安があるし、せっかく二人っきりになってもすぐゾンビに襲われるからうかうかしてられないし、「こんな世の中なのに子供が出来たらどうする」とか悩んじゃうし。

それに恋愛を細かく描かない場合、いろいろなことを想像してしまいます。「シャワー浴びられないし、獣を食べたりしてすごいニオイがすると思うけど、新鮮な恋心って続くのだろうか?」とか。二人の恋愛にクローズアップしていられないから、いろいろと知りたいことが省略されてしまいます。それがむしろ視聴者の興味を惹きます。

 

ワンピースって漫画がありますが、以前どこかで作者が「恋愛の話って出てこないんですか」って質問がよく来るって言っていたと思います。そういう質問をする人の気持ちは私もよく理解できて、「もっとべつの目的に向かってる人が、それどころじゃない環境の中でも否応なく落ちる恋」っていうのは、物語のアクセントになって読者を喜ばせます。それどころじゃないからこそ喜びも悲しみも二倍、胸キュン率もうなぎ昇り。

それが恋愛をメインの話にしてしまうと、はっきりいってしまうと1時間×12回では時間が余るんじゃないかと思います。たとえどれだけドラマチックな恋だとしても。

だからどうしても、ヒロインなどの心情までを事細かに描くようになっていきます。でも前述したように、どちらかというと「知りたいことが省略してある」方がむしろ人の興味を惹くものです。だから「感傷的な音楽が流れる中、ヒロインのクローズアップで15秒+回想」などというシーンがどうしても長く感じられます。単純に、フラットで、テンポが遅く感じられてしまうのです。

 

◆人は予測できる展開を待ち望む気持ちもある

 

ただ、日本のドラマは老若男女が楽しめるエンターテイメントを目指している、という側面もあると思います。テンポが速すぎるとお年寄りはついていけないかもしれない。

そしてだいたい日本のドラマは「その台詞と似たようなこと前回も言ってたな」っていうことが多かったり、無駄な回想シーンを詰め込み過ぎていたり、「絶対こうなると思っていた」という展開であったり、毎回同じことの繰り返しが多い傾向にあると思います。でもそれはべつに悪いことばかりではなく、「奇想天外あっと驚くどんでん返し」ばかりが良いというわけでもありません。

 

たとえばものすごい長寿ドラマだった「水戸黄門」について考えてみたときに、視聴者が一番求めているものは何かというと、「助さん角さんやっておしまいなさい」と「この印籠が目に入らぬか」なんですよね。そこまでの展開は毎回似たり寄ったりなんですが、はっきりいってどうでもいいわけです。茶屋の娘が借金のカタに連れ去られそうになろうが、傘屋がちんぴらに弱みを握られ脅されていようが。そんなことより、助さん角さんがボッコボコにやられてしまうとか、「この印籠が……」って言いかけてやっぱり出すのやめるとか、「もうわかってるからいいじゃん」ってディレクターが印籠シーンをカットするとか、そんなことがあったらクレームが殺到していたでしょう。

人間はドキドキワクワクするような展開を求める気持ちと、「毎回おなじみの展開が繰り返される」安心を求める気持ちと、二通りを持っているのです。「来るぞ来るぞ……」「よーし来た!」って感じで。

 

◆恋愛ドラマの成功=役者の魅力?

 

さてここからが本題なのですが、このように制作費の面で制限のある日本のドラマが視聴者を惹きつけることのできる要素というのは、ひとえに「役者の魅力」だと思います。恋愛ドラマの難しさとして、「主演の二人に魅力がなかったらアウト」っていう、役者の人気頼りになってしまうというものがあります。件のウォーキングデッドでは、恋に落ちた男女のことを好きになれなくても「大筋とは関係ないからまあいいや」って思えるんですけど、「やまとなでしこ」においてもし松嶋菜々子さん(と堤真一さん)に魅力がなかったら、もうそこでこのドラマは終わっていたはずです。「なんであんな女が美女役なのよ!」「金の亡者最低!」って視聴者が思って終わりです。

そしてこれはただ松嶋菜々子さんの美貌だけではなく、松嶋菜々子さん演じる桜子という女性の「男性をとりこにするためにはどういう女であるべきか」という戦略ですね、これがまさにビンゴだったんでしょう。そのキャラ付けは視聴者までをとりこにしてしまったということです。

もしこれが

「あらゆる男が群がってくる絶世の美女だけど傲慢で他人を顎でこき使う。でもみんな彼女の美貌に夢中」

というキャラ付けだったらあまりうまくいかなかったはず。

 

とくに私が口開けて見てしまったのは、堤真一といったん決別すべく握手するシーンです。このシーンの松嶋菜々子さんの手はパーツモデルのものなのかどうかわかりませんが、今までみた女性の手の中でも群を抜いて美しいと思いました。手の差し出し方といい、品のあるネイルの色といい、彼女の手のやわらかさが伝わってくるようでした。あのシーンはかなり長かったと思うけど、長さを感じさせず、早送りもせずにずっと見ていられました。やっぱり手がキレイって素晴らしいね、と劣等感にさいなまれながら。

 

◆なぜコンサバはこれほど無敵なのか?

 

2000年っていうと今から15年前ですが、すごいなと思ったのは、あの桜子さんが今、あのままの服装と髪型とメイクで2015年の合コンに現れてもやっぱりモテてしまうだろうということです。 服装にしろ、メイクもネイルも桜子さんの目指す「モテ女としての方向性」は正しく普遍的なものなんじゃないかと思いました。

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一言でいうとコンサバなんですが、少しづつモードの変化はあるとしても(口紅の色なんかはやっぱり古さを感じやすい)、基本的にあまり変わりません。それこそがコンサバの真骨頂だからです。

桜子さんの身につける服も、メイクやネイルの色づかい、すべて「男性に望まれる形かたち」をしていて、それは少々の年月では変わらないものです。

よく、男性にモテる為にわざとダサい格好をする、とかいう話がありますが、けっして男性はダサい格好を求めているわけではないと思います。彼らは単純に、ベーシックとフェミニンを求めているのです。そしてそれは結局コンサバに行きついてしまう。そうなると服もメイクも、そのかたちや色づかいにも、基本的に変わりはありません。「男性が女性を魅力的だと思う条件」または「女性としてもっとも魅力的に見える装い」は時代によってそうそう変わるようなものではないもっと根深いものです。

 

これは、女性からみた男性も同じことで、男性のスタイルに「コンサバ」というジャンルはありませんが、ベーシックでシンプルなものを求める、という傾向はやはり女性側にもあると思います。「2016年の春夏のメンズファッションはロングスカートがモードで、ファンデ塗るのも身だしなみの一環だし当たり前」ということになっても、そうではない、「ベーシック」で「男らしい」と多くの女性が感じるスタイルの男性の方が求められるのではないかと思うのです。男性も女性もやはり異性にはコンサバを求めるものなのではないでしょうか。

 

私はたぶん数年前だと桜子さんの身につけているような洋服には見向きもしなかったのですが、今は素直に素敵だと思えました。この変化はおそらく私が、男性を、というわけではなく、女性というものをよく理解できるようになったということだと思います。そしてそれをどのようにひきたてるかということも。

 

そして服装だけではなく、この「やまとなでしこ」における松嶋菜々子さんはしぐさがいちいち上品です。がさつなところがいっさいない。そして言葉づかいも丁寧で礼儀正しい。だからこそ彼女の守銭奴のような発言も許されているのです。女性らしいしぐさや言葉づかいを学びたい、という女性はマナー講座などを受けるよりこの松嶋菜々子さんのモノマネをした方がずっと手っ取り早いんじゃないかと思いました。これは演出というより、たぶんもともと松嶋さん自身が品のある女性なんだと思います。

 

◆「やまとなでしこ」における最大の誤算は

 

日本のドラマだと多くの場合、基本構造として主人公が最終回までに答えを見つけるべきテーマがあります。たとえばやまとなでしこの場合だと「お金より大切なものはあるのか」ってことでしょう。

「やまとなでしこ」での主人公の理念はとてもはっきりしていて、「お金が一番大切なんだ」と何度もきっぱり口にします。しかし堤真一演じる欧介さんの純粋で真摯な様子、そしてそんな彼が「なぜかいろんな人から高く評価されている」という要素によってその理念は脅かされていきます。そして主人公は周囲の人に「お金より大切なものってなんですか」と訊ねてまわるのだけど、はっきりした答えは得られません。主人公は何かが揺らいでいくのを感じながら、欧介さんに徐々に惹かれる心を抑えられず、自らの感情と理念に折り合いをつけられないでいる……

というのがだいたいの筋でしょうか。

 

だから欧介さんの、主人公が自らの強い理念を揺らがすほどの「ときに朴訥にも感じられるほどの純粋で真摯な魅力」が鍵となるわけなんです。

ところがライバル役の東十条さんがあまりに純粋で真摯な男性すぎて、もう、欧介さんの純粋さが目立たなくなってしまっている。東十条さんの純粋さがあまりにすごすぎて……いったいどうして比較対象となるべきリッチな男性をここまで純粋なキャラにしてしまったのか。しかし東十条さんは主人公の父親からは「ぼんくら」と評されてしまいます。まあ、なんかわからんでもないです。

 

と、いうわけで、たまには恋愛ものを見るのもいいな、と思った一日でした。

まだ見てない人はまわりにDVD持ってる女の子がいないか探してみてください。きっと貸したくてうずうずしてるはずです。



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