適当レシピ・なぜパリには杏仁豆腐がない?

フランス生活

 

パリでフレンチよりも圧倒的に中華に通い詰めている私ですが

なぜだかデザートで杏仁豆腐を一度も見たことがありません。

そもそもデザートメニュー自体を置いてない中華も多いですが

あったとしても胡麻餡の入った白玉とか、無難なアイスとか。

 

まさか杏仁豆腐というのは日本人の想像上の中華デザートだったのか

とまで思ったものですが、良く考えたらドイツに行った際

香港人たちに連れられて中華(回るテーブルの)を食べに行き

「君は日本人だからアンニンドウフ食べたいよね?」

と杏仁豆腐を注文してくれ、自分たちはマンゴープリンを食べていました。

杏仁豆腐=日本人好み

マンゴープリン=現地人好み

なのかと思ったものですが、どちらも日本で人気の二大中華デザートです。

そういうわけで杏仁豆腐もマンゴープリンも中国でも人気なのだと

私は勝手に思い込んでいたのですが、間違いだったのでしょうか!

中国で人気でないなら、そもそもなぜ日本に渡って来たというのでしょう!

 

だからパリで中国人に会うたび杏仁豆腐について訊いてみますが

写真を見せても「そんなの知らない」と今のところ100%言われています。

いったいどうしたというのだろう、あんなにおいしいのに!

私が君たちにこんなこと言うのもなんだけど、損してるよそれ!

NO杏仁NOライフ、日本人があんみつ知らないみたいなもんだよ!

まあ、中国広いからその辺の事情が関係しているのでしょう。

 

いっそのこと作ってみようかな、杏仁豆腐……

そう、ものぐさでしかも砂糖断ちをしている私にこんな決意をさせたほど

パリには杏仁豆腐という杏仁豆腐が欠如しているのです。

 

杏仁霜という杏の殻をすり潰したものが必要なのですが

これが私の探し方が足りないのか、見つからなかった……

このパリの杏仁豆腐を排除する姿勢はいったいなんなのだろう!!

 

だから代わりに見つけた杏仁エッセンスで代用することにしました。

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中蓋を取ろうとすると、これが頑固一徹、固すぎて取れない。

針や箸やフォークを差しこんでみてもどうしても取ることが出来ず

ついには貴重な箸の先が欠け、爪も少し剥がれてしまうという悲劇。

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私と杏仁豆腐を引き合わせまいとする不思議な力を感じる……

15分くらい格闘したあと、そうだ穴を開けるのかも、と思って

箸の先をぶすりと刺し、でっかいを穴をあけることに成功!

すでにへろへろです!

 

杏仁エッセンスの他、アマレットというアーモンドのリキュールでも代用できます。

杏仁豆腐は寒天を使うことが多いそうで、私は固めの杏仁豆腐が好きなので

出来れば寒天を使いたいですが、手に入りにくいのでゼラチンを使うことにしました。

アガーでももちろん良いと思います。食感が変わってそれぞれ良い。

 

適当ですが、今回はこの配合で作りました。

 

牛乳……400ml

水……200ml

ゼラチン……12g

杏仁エッセンス……10滴くらい

クコの実……数粒

(通常は砂糖を30g程度入れる)

 

ゼラチンを大匙3くらいの水でふやかし、温めた牛乳と水に溶かします。

ゼラチンは固める対象(この場合温めた牛乳と水)が

沸騰した時間が長いほど固まりにくくなるそうなので

沸騰する前のぬるいくらいの状態で溶かしました。

杏仁エッセンスを入れ、容器に流し込み、適度に冷めたら冷蔵庫へ。

クコの実は水で戻しておきます。

 

さて、私は生クリームがなかったのでやらなかったのですが

牛乳を200ml、生クリームを200mlにするとおいしくなるそうです。

お菓子感が増すんでしょうねえ。

 

さらに、砂糖を入れていません。

だって砂糖断ち……

もちろん砂糖断ちなんて正気の沙汰かと思われる方はどしどし砂糖を!

 

こうして出来上がった杏仁豆腐は、ほのかな甘みの牛乳プリン

……に、かすかな杏仁の香りが!

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やっぱり甘みがあった方がおいしいよねえと思い直し

レモン果汁+水+蜂蜜+杏仁エッセンスで蜂蜜レモンシロップを作り

冷やしてから杏仁豆腐にぶっかけて食べました。

蜂蜜とレモンの自己主張によって杏仁の香りがぶっ飛びます!

でもおいしい!

砂糖に何のこだわりもない方は

ぜひ水と砂糖と少しのレモン果汁で作ってください。

 

杏仁豆腐とはかけ離れてしまいましたが、これはこれでとてもおいしかった。

ゼラチンで作るともっちりして、ぷるぷるともちもちに対する欲求が

一度に満たされるために、牛乳があまったらこれからもしばしば作ってみます。

普通はおいしくないと思うだろうけれど、砂糖断ちしてると

ただ牛乳固めただけでもわりとおいしく感じるという不思議。

杏仁豆腐と思わなければ満足します。

 

さてパリが杏仁豆腐の存在を認めるのはいつになるのだろう。

あるいは私だけが知らないのか!?

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